「これは経費で落ちません! 8」: Private Eye

Tue, 30 Jul 2024 17:39:35 +0000

「これは経費で落ちません」(8)青木祐子 シリーズ最新刊、8巻目。 合併後のごたごたを背景に、主任になった沙名子の活躍とオフィス人間模様が描かれる。今回もおもしろかった。よく出来ている。 P127 世の中には一定数、人間関係の手間を面倒と変換する人間がいるようである。 P165 「そういう時期ってないですか。 (中略) 過去の決断は正しかったのか確認したくなるときが。確認したからってどうにかなるものでもないのに」 P210 美華は相手への好き嫌いや立場など考えず、正しいと思ったことを正しいと言う人間である。 P212 「――玉村志保さんですか」 美華が言った。 沙名子は驚かなかった。うっすらとそうではないかと思っていた。 この件の腑に落ちなさ、ざらりとした嫌な感触は、志保に対して感じるものと同じである。 PS1 毎回そうだけど、『エピローグ』よかった。 PS2 美月が登場しないのが、少し淋しい。 【ネット上の紹介】 トナカイ化粧品を吸収合併した天天コーポレーションだが、経理部に増員はなかった。おかげで沙名子たち経理部員は連日残業続き。大阪営業所へ転勤となった太陽からはしょっちゅう電話もかかってきて、遠距離恋愛になっても関係は安定していた。ところが天天コーポレーションのイベントを取材に来た記者が、太陽の元カノだったことで沙名子の心はざわつき始め…?

  1. これ は 経費 で 落ち ませ ん 8.5 out of 10

これ は 経費 で 落ち ませ ん 8.5 Out Of 10

2021年5月、「これは経費で落ちません!」の8巻を読みました。 ほぼ1年ぶりの新刊ということになるでしょうか。 森若さんと太陽は遠距離恋愛中。二人とも相変わらずで、太陽が意外と落ち着いているのも、森若さんが意外とドタバタわさわさ乱高下しているのも想定の範囲内です。 太陽の元カノと何だか意気投合しているところが可笑しくも可愛らしい。 公の方は、経営資料作成の際のケアレスミスをタテに経理部員増員の話が消えたという(森若さん的に)痛恨のミスもありましたが、相変わらず様々に気づき、対応し、会社やそこで働く人を揺るがすような事件の芽を的確に摘んでいます。 そういうことをしながら、「自分が面倒に巻き込まれないため」と自分に言い訳し、自分を説得してしまう損な性分も相変わらずです。 だから「向いている」のだし、高い能力を示しているのだし、頼りにされてしまっているのだし、そんな自分が好きではないにせよ、そうでない自分は許せないだろう森若さんです。 このお話、ゴールはどこなんでしょう。 森若さんが大出世したとか、太陽と結婚したとか、そういう分かりやすい「上がり」が終着点ということはなさそう。 森若さんのココロの成長とか気づきを以て完結というのもちょっとモヤモヤしそうだわと思っているところです。

そして沙名子と太陽との関係にも変化が!? 沙名子がどうしてイレギュラーを嫌うのかが垣間見えるところも。 将来とか、興味ないはずだったのに、変わっていく周りの人たちに気持ちがザワザワしたり、恋人との関係も変化したり。 4作目ぐらいから実家の話題がほとんどでなくなり、沙名子のプライベートはだいたい太陽と過ごしている場面になってくる。では、この先への含みを持たせた終わり方になっている。 ***** コミカライズ化もされていて、小説の内容を上手く盛り込みながらテンポよく描かれているみたいなので面白そうだな~と思っている。 Cookie で連載中(ちらっと立ち読みしたら2021年3月号は小説の6作目あたり) ドラマは見ていないので何とも言えない💦 NHK だったんやなー。