悪役令嬢後宮物語 - 『闇』との密談

Tue, 30 Jul 2024 21:10:52 +0000

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『悪役令嬢後宮物語 4巻』|感想・レビュー・試し読み - 読書メーター

泣き止み、落ち着いたシェイラを、ディアナは『その場で』見送った。シェイラ曰く、「絶対に姿は見ませんから。……またディーと離れてお話するのは寂しいわ」ということで、気付けばほぼ密着姿勢のまま、会話していたのである。 ちなみに件の問題点、『シェイラと『紅薔薇派』の関係をどうするか?』については、とりあえず今日は保留にすることで決着した。現実的に考えれば、シェイラが堂々と『紅薔薇派』を宣言するのは、後宮の争いを激しくするだけである。少し落ち着けば、シェイラもそのことに気付くだろう。 『姿は見ない』との約束どおり、別れるときのシェイラは目をつぶってディアナから離れ、くるりと後ろを向いた。びっくりするくらいに律義である。別れの挨拶を交わし、角を曲がって消えていったシェイラを見送って、ディアナは深々と息を吐き出した。 「……誰か、いる?」 『はっ』 降ってきた声はシリウスのものだ。昨日も詰めていた『闇』の首領が今日もいることに、ディアナは純粋に驚く。 「どうしたの? シリウス、ちゃんと休んでる?」 『あのこわっぱとやり合いました後に、一度下がってデュアリス様にご報告致しました。ついでに休憩も頂きましたので、問題なく』 「そう。お父様はなんて?」 『『その小僧が少しでも妙なマネをしたら、遠慮はいらんから捻り潰してやれ』とのことです』 「……うわぁ」 呟きを漏らしたのはディアナではない。いつの間にかそこにいた、『小僧』本人である。 「あら、カイまでどうしたの?」 『小僧、どうやら命が要らないらしいな』 「……あのさ、シリウスさん。ひとまず殺気は片付けよう。ちょっと本気で怖いから。それからディアナ。もうちょい驚くとかないワケ?」 「だって、カイは『闇』レベルの隠密でしょ? 神出鬼没は当たり前じゃない」 「あぁ、うん。突っ込んだ俺がバカだった」 何やら一人で納得し、カイは若干、姿勢を正した。 「『牡丹』の情報、欲しい頃じゃないかと思ってさ。顔出してみたんだ」 「ありがとう。助かるわ」 『……本当に出すな、顔を。ディアナ様は側室筆頭たる『紅薔薇』だぞ。ほとんど誰も知らない穴場とはいえ、後宮内で男といるところを人に見られたらどうなると思う』 「あ」 『……ディアナ様、貴女もですか』 シリウスの声は、隠しもせずに呆れていた。ディアナは慌てて言う。 「いやだって、この後宮でソッチの立場思い出せと言われても、結構難しいわよ?

一方その頃、攫われたシェイラはディアナの無実を証明する手がかりを発見。でも最も重要な証拠は誘拐犯の胸ポケットの中……!? 誤解と陰謀渦巻くシリーズ第六巻がオリジナル展開で堂々登場! 誘拐騒動から始まった波乱の貴族議会を無事に乗り越えた側室筆頭『紅薔薇様』のディアナ。 事件の数日後『紅薔薇の間』に国王ジュークとその想い人であるシェイラ、さらに『名付き』の上位側室が集められお茶会が開かれていた。 シェイラの覚悟を知った国王ジュークは、彼女を正妃とするべく動き出すことを宣言し、ディアナたちも協力することを約束。 しかし、そんな穏やかな日々が続くわけもなく、その裏では暗殺未遂や誘拐事件、貴族議会すらも吹き飛んでしまうような、後宮全体を巻き込んだ大事件が始まろうとしていた……!? 激動のシリーズ第七巻、ここに開幕! 【電子限定版】悪役令嬢後宮物語 の関連作品 この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています 無料で読める 女性向けライトノベル 女性向けライトノベル ランキング 涼風 のこれもおすすめ 【電子限定版】悪役令嬢後宮物語 に関連する特集・キャンペーン