ヤフオク! - 七月隆文《ぼくときみの半径にだけ届く魔法》 ...

Mon, 29 Jul 2024 22:11:39 +0000

loundraw 一読者であることには変わりないんですけど、世に出る前に読ませていただいて、かつその本が出るのと同時に僕の絵がビジュアルになるので、どこか読者でありつつも発信する側の立場にも立って、「僕はこう思ったよ」という要素を入れるようにしますね。 七月 今回はどの辺が「こう思ったよ」になりました? loundraw この作品のヒロインって、あまりにヒロインなんですよ(笑)。すごく優しくて、外にも出られなくて、どう読んでもこの子めちゃくちゃ可愛いじゃないか、みたいな。そういう完ぺきなキャラクターでありながら、機嫌が悪くなったりもするんですよね。なのでそういうすごく細かい機微の部分にパーソナルなものがあるなと思ったので、ただきれいな可愛い女の子を描くのではなくて、ちゃんとその中の微妙なところ、仕草とか、そういうところをちゃんと絵に乗せられたらいいな、そして幸せなカットにしたいなと思いながら描きました。 七月 ラフの段階から、完成に行くまでに絵が変わることだったり、自分の中で思ってもみないようなものが出てきたりすることってあるんですか? ぼくときみの半径にだけ届く魔法 | 株式会社 幻冬舎. loundraw 基本的に完成形まで想像した上で作っているんですけど、ロジックで作っている部分と、実際手を動かしてセンスが入ってくる部分は別なんです。なんとなく置いた要素が、「あ、これは使えるな」と思って微妙に変えることもあるので、そういう意味では自分としても出来上がりが楽しみな部分はありますね。 七月 なるほど。文章でもたまたま書いたことがかみ合ったり、全然思ってなかったことがつながる瞬間があるんですよ。書きながら思わぬものがぽろっと出てくる瞬間ってありますよね。 loundraw ありますね。描いている間に変わってしまうのは、例えば表情の微妙な眉の下がり方や上がり方だったり、髪のなびき方などは風を表すという意味ではわかりやすい表現であるんですけど、絵として入るのか、というのはその都度描いてみないとわからないですし。あとはキャラクターの服装も人によって性格が出るのですが、その服装とその場面の色合いが合うかっていうのは別の話なので、それはやってみて、詰めてみたときの情報量で決めるので、そういう要素は変わりうる可能性はあります。 七月 じゃあ何色にしようっていうのは描いてみないとわからない? loundraw 一応自分の中ではありますが、手を動かさないとわからないって感じですね。 七月さんはロマンチスト。自然体でいられるのが羨ましい(loundraw) 七月 実はこの作品が初めての単行本で、今とても不安なんですよ。 loundraw どうしてですか?

ぼくときみの半径にだけ届く魔法 | 株式会社 幻冬舎

4月5日(木)、七月隆文さんの最新作『ぼくときみの半径にだけ届く魔法』が幻冬舎より発売されました。 福士蒼汰さん・小松菜奈さん出演で映画化されミリオンセラーとなった『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』をはじめ、『天使は奇跡を希う』『君にさよならを言わない』『ケーキ王子の名推理』など、さわやかな心震えるラブストーリーで人気の七月さん。 1年ぶりに発売された『ぼくときみの半径にだけ届く魔法』は初の単行本で、若きカメラマンと難病の少女の"運命の出会い"を描いた作品となっています。 表紙のイラストはloundrawさんによるものです。 売れない若手カメラマンの仁はある日、窓辺に立つ美しい少女を偶然撮影します。少女の名前は陽(はる)。難病で家から出られない彼女は、部屋の壁に風景の写真を写して眺める日々を送っていました。「外の写真を撮ってきて頂けませんか?」という陽の依頼を受け、仁は様々な景色を撮って届けることになります……。 ( 幻冬舎plus『ぼくときみの半径にだけ届く魔法』 より)

Amazon.Co.Jp: ぼくときみの半径にだけ届く魔法 (幻冬舎文庫) : 七月 隆文: Japanese Books

ぼくときみの半径にだけ届く魔法 2018. 03. 26 更新 ツイート 七月隆文さん初単行本『ぼくときみの半径にだけ届く魔法』出版記念! 【発売前試し読み】第一回 彼女の出会い 七月隆文 ここから先は会員限定のコンテンツです 無料! 今すぐ会員登録して続きを読む 会員の方はログインして続きをお楽しみください ログイン { この記事をシェアする} この記事を読んだ人へのおすすめ

未羽がほんのり思ったとき、颯人がこっちを向く。いかにもバカにした皮肉っぽい笑みを浮かべて、なんとなく家族に気づかれたくなくて、音を立てないように階段を下りきり、玄関へ。それは本当にまっすぐまっすぐ、下りきったさらにその先まで伸びていて、眼下の町並みが一望でき、道の果てに――茶色い山のような大きなマンションがそびえている。「たしかに! 実は最初にモンブランを食べて、すごくテンション上がったのよ! で、エクレアでだだ下がりして、でもここの苺と生クリームとスポンジは美味しかったから、それを組み合わせたショートケーキは間違いないと思って、追加で頼んだの!」言って、ティーポットからお代わりを注いでくれる。冷めかけたカップから、また温かな香りが立ち上った。ますます家族に見られたくなくて、そっとそっと階段を上り、部屋に戻る。突き放した響き。彼の態度には、普通の男子が感じさせる女子への遠慮がまったくなかった。アールグレイ。けれど花の香りが透きとおっていて、これまで飲んだどれよりも上質だとわかる。「口の中に残ってくる後味が甘くて上品で官能的! ずっと残してたいし、でも飲み込んでしまいたいっていうジレンマで!」回すというより前後にこするように動かし、手首を返して側面の卵液を混ぜる。縁をこする軽快な音がこちらまで聞こえてきそうだった。「チョコと苺と生クリームですよ? 美味しいに決まってるじゃないですか。それで出てきて、わあってテンションが上がって、ナイフとフォークで切り分けるのが難しかったけど、なんとかきれいに取って食べたんです。最初は『エクレアと苺ってこんなに合うんだ!』って思いました。でも――――――――皮の臭さが!